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どこかで見たことあると思ったら……



 タイトル僕らはどこにも開かない
 著者 御影 瑛路
イラスト 安倍吉俊
価格(本体630円+税)

電撃文庫より今月発売されたこの作品。

僕が専門学校に入学してすぐ位に発売された作品のリメイク版。

当時、すでに現在多く発売されているようなハーレム物がだいぶ幅をきかせてきていた時代。

当時『電撃のおくる問題作登場』だったか『衝撃の問題作』だか、

とにかく問題児のレッテルが張られた状態で店の新刊コーナーに平積みされていました。

当時から興味を持った新作はとりあえず買って読んでみる人間だったので、迷わず購入。

 

そして、

鬱になったのを覚えています。

もちろん、鬱になったというのは比喩ですがw

もう十年ほど前なので、うろ覚えな部分が多いのですが、

全体的に脳内映像が常に曇り。ゴロゴロといつ雨降ってもおかしくない。

そんな感じでした。

この作品、とにかく読めばわかるのですが、登場人物全員が振り切れてるんですよ。

電波で魔法使いを自称するヒロイン、相手を完全な形で分析できる少女、良くも悪くも優等生の少年。

主人公の雅人もちょっと壊れていらっしゃる。

彼ら彼女らの物語は最初とっ散らかってる感はありました。出てくるキャラ全員がイタいし、全体的に暗いので、

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序盤から中盤まではしんどいです。

ですが、

どうなるんや!

どうなるんや!

と、ページをめくってしまいました。

しかし、物語が結末に向かって進むにつれて、とっ散らかっていた感のある物語がゆっくりとまとまってゆき、

最後はしっかりきれいに整えられていて、読んでいる側もすっきりした気分になっていました。

 

昨今のラノベみたいな『俺TUEEEEEEEE!!!!』作品でも主人公がそこにいるだけでヒロインたちが寄ってきて主人公に惚れる、

いわゆるハーレム物でもない。

今のラノベ界隈の事情を考えると、リメイクじゃなければ絶対出ないような作品です。

出たとして絶賛されるか叩かれるか・・・・・・物議を呼ぶ作品ではあることは間違いないと思います。

 

そんな作品ですので、読み手はかなり選びます。

最近の上にあげたような最強の主人公やハーレム主人公の活躍する作品に飽きてきて、

「なんかこう、アレだ。インパクトあるやつ。具体的に言うとエグイやつ」

と、ぼんやりと違った作品を求めている方でダークシリアスが平気な方は一度読んでみてはいかがでしょう?

 

左がリメイク版、右がオリジナル版です。


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