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【感想】富士見ファンタジア文庫『いま、n回目のカノジョ』レビュー



皆さま、おはようございます。

ファンタジア文庫12月の新作二つ目、

『いま、n回目のカノジョ』をご紹介します。

刻坂詩音の起こすループ現象に巻き込まれる毎原和人。

詩音の能力を知り、詩音を誘拐し、自分達のいいように操ろうとする
謎の組織。

詩音を助けようと、様々な困難を乗り越える和人の前に現れる美少女、
神崎流留。

流留の助けを受けて、詩音を組織から救出するも、
すでに詩音は・・・・・・

 

 

などと言ったSFアクションの超展開は一切出てきません

ただただ、唐突にやってくる詩音の起こしたループ現象をやり過ごし、ループに巻き込まれる以外は日常生活を続けようとする和人の日常ループラブコメ系ライトノベルです。

バック・トゥ・ザ・フューチャー、時をかける少女、シュタインズゲート等々、ループ現象を取り扱った作品は数多くあります。

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そしてその多くがループ現象に対して何らかのアクションを起こし、それを解決する行動を主人公がとると思います。

ですが、この作品の主人公、毎原和人はそれらを放棄し、『ループが終わるまで待つ』という行動に出ます。

と、いうのも、ループを発生させているのがヒロイン刻坂詩音という、和人の幼馴染の少女でループは彼女の求める結果になるまで繰り返されるというもの。

何度か繰り返すと強制的に終了となるようですが、基本的には彼女の求める結果になるまで続き、詩音自身、というか和人以外にループしている事に気づいた人物はいないという事らしい。

詩音の望む結果になる。それを実現すべく、何らかの行動をとるにしてもリスクが伴います。さらりと流していますが和人曰く、詩音が傷つくことも何度もあったらしく、そういうことが起こるなら、ループが終了するまで何もせず、待ちの姿勢をとる方がいいと判断したためです。

しかし、ある日、和人の前の前にループに巻き込まれた少女、神崎流留が現れます。彼女は詩音のループ発生の解明と解決を宣言します。

リスクが伴ううえに、労力に見合わないと最初は取り合わない和人もなんだかんだと流留に付き合って、ループが発生するたびにループが終わるように行動を起こします。

 

解決にあたっての方法が、突拍子もないものであるのですが、作品自体がコメディなのですんなり受け入れられ、その間のドタバタ感が楽しく読めました。

 

結局、詩音がループを発生させてしまうそもそもの原因、和人と流留だけが巻き込まれる理由は次巻以降に繰り越されることとなってしまいましたが、詩音の無自覚で起こるループを止める和人と流留の騒がしい日常を眺めるだけと言うのも良いかもしれませんね。


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